コーカサスの白墨の輪 @世田谷パブリックシアター 2005.02.04 |
劇場に入ると舞台は円形になっていて、すり鉢状に客席が。 へぇ、芝居でこういうのは初めてだなぁ…と席につくとやっぱり…なことが。 微妙に見切れ席。まぁ、A席だしね…仕方ないやね。 でも舞台が客席に近づいてセッティングされているから通常よりも見やすかったのかも。 席についてしばらくしてふと舞台を見下ろすと…あれは谷原さんでは?あっちにいるのは松さんだ。 開演近くなって役者さん達が舞台にでてきてウォーミングアップを始めていたのだ。 珍しいねぇ…なんて見ていたらそのままの雰囲気に芝居開始。 松さん扮するグルシャと串田さん扮するアズダックの2人を中心とした場面を交互に見せるわけなんだけど…。 長い。アズダックの話は別にあんなにいらないんじゃないかな〜と思ったり。 でもその話をしとかないと、アズダックが「白墨の輪」で判決をしようなんて言いだすのか、が分かり難いのか。 となるとやっぱり必要な場面なのね。うーん、でももう少しテンポアップしても良かったなぁ。 あと、最後の白墨の輪のシーン。なんかあっという間に決着ついちゃって、あら?ってかんじだったかなぁ。 (それまでいろいろと言い合うんだけど)白墨の輪で子供の手を引き合う母親の気持ちみたいなのがもっと表現されれば 良かったかも。わりと最後はサラっと決まっちゃったっていうか…。 産みの親と育ての親の愛情。その違いは一目瞭然なんだけど、さらっと行っちゃった分深みが足りないというか…(偉そう…) 芝居を観るにあたり楽しみにしていたこと。 @松たか子さん。うん、やっぱりお上手でした。松さんに持つイメージは凛とした強さ。歌も何か1本筋が通っているというか…。 強さを感じるのね。それが今回の捨てられた子供を育てる、グルシャという女性のイメージにあっていて。 壊れた橋を渡るシーンで、6人くらいの男性が手を上げて長い棒を持ち、その男性陣の肩を松さんが歩く。 その不安定な状態でも完璧に歌い上げる松さん。これはすごかった。松さんの歌声は綺麗だ。 A谷原章介さん。何せ音楽劇ですから。美声ハラショーの歌を楽しみにしていたワケですよ。 …が。お一人で歌うシーンはなく残念。いやぁ、でも谷原さんの声はやはり聴き惚れるね。よく通る美しい声。 あと残念だったのは、帰ってきたシモンがグルシャの裏切りを知って失望してから、真相を知ってグルシャの元にやってくるまで の心の移り具合が弱いかなぁ、と。もう少しシモンの内面描写が欲しかったかなぁ、もったいない。 B和田エミさんの衣装。色彩が綺麗だった。中でも松さんのショール。最初パンフ見たときはてっきりニットだと思ったのね。 手織りかな、と。でも家に帰ってきてじっくり見たらなんと!刺繍であった。これはすごいね。刺繍の柄と地布の柄(チェック)の 組み合わせもいい。柄と柄だとごちゃごちゃしそうになんだけど、配色で落ち着かせているのかなぁ、すごくしっくりしているの。 音楽劇。ミュージカルともまた違った感覚で面白かった。 こういうのまた観てみたい。 芝居の内容以外で面白いなぁ、と思ったこと。 ま、いつの間にか芝居が始まっちゃうのもそうなんだけど、1幕と2幕の幕間に舞台上でワイン(300円。チーズ付)を販売したり、 いつの間にかキャストの方が出てきて、裁判がはじまっちゃったり(お客さんも傍聴人として座らせられたり)、 あ、この裁判の時の谷原さんは白塗りマロ状態…もしかして面白い人?谷原さん…。 最後は観客を巻き込んでのダンスパーティ。皆で輪になって踊る、踊る、踊る。 ま、2階席にいたワタシには全く参加の余地はないワケですがね(笑) |
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